Classici giapponesi con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.713 caratteri · 205 schermate
大氷河の胎内へ
これかと、ダネックも折竹も唖然と目をみはった。これが、ケルミッシュの同伴者とはますます出でて奇怪だ。癡呆を連れてきてあの大魔境へのぼる※(疑問符感嘆符、1-8-77) さっきの紅蓮峰の山嶺のことでグワンとのめされた二人は、いよいよ神秘錯雑をきわめるこのケルミッシュのために、いまは、引かれるままの夢中裡の彷徨だ。
日が落ちた。巨竹の影が消え角蛙が啼きだした。暑さはいくぶん退いたが、二人のこの汗は。
大氷河の胎内へ
その夜から、ダネックの懊悩がひどくなった。なんの、ペテン師、売名漢と初手から見くびったケルミッシュが、さながら人間以上のおそろしい力をもっている。もしも、彼ダネックが優秀な科学者でなければ……、ケルミッシュもあの娘も魔境「天母生上の雲湖」の、ユートピアの住人がひそかにあらわれたくらいに思うだろう。
だが、この場合懼れるのは登攀の成功だ。魔境の大偉力に対するダネックの科学より、むしろ神秘対神秘力でケルミッシュではないのか。辛酸五年の労苦が水泡に帰したところへ、あらたな力を抱いて魔境へゆくケルミッシュをみる、ダネックの胸のなかの切なさ。ところへ、二、三日経って二度目の会見が行われた。