Classici giapponesi con furigana
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にんじんのせい
人蔘の精
田中 貢太郎
Leggi 人蔘の精 (にんじんのせい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3205 caratteri · 7 schermate
怪物は張を縛った葛を解いて抱きおろしました。抱きおろしながら其の毛むくじゃらの手で二三回頭を撫でました。そして張は地べたへおろした怪物は、葛で三匹の虎の手足を縛ってそれを背中に縛りつけ、片手へ張を乗せて歩きだしました。
洞穴へ帰り着くと夜が明けはなれました。怪物はまた火をたいて張に肉をあぶってくれ、己は生の肉をむしゃむしゃとたべました。張は怪物といっしょに食事をしながら、怪物は己を餌にして獣を執るつもりであるから、殺されるようなことはない、其のうちに己が逃げられるような隙ができるだろう、それまでじっとしてよい隙ができたなら其のときに逃げようと思いました。張はもうあせらずに其の隙の来るのを待とうと決心しました。
翌日の黎明比になると、怪物はまた張を伴れて往って獣をとりました。一月あまりも張は怪物のそばにおりましたがとても逃げだす隙がありません。張はお父さんのことが気になってたまりません。彼は某日とうとう怪物の前へ往って、泣きながら山の下のほうへ指をさして何度も何度もお辞儀を続けました。怪物は張の容を見ておりましたが、それが判ったものと見えて頷きました。