Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate

Aozora Bunko

神谷は不審に耐えなかったけれど、明智のするどい眼が、しきりに催促しているものだから、聞き返すわけにもいかず、いわれるままに受話器を取って、大都劇場にそのことを問い合わせた。

「わかりましたか。では、そこへあなたから電話をかけて、熊井君なり熊井君の母親なりを呼出してみてください」

「ご用がおありなのですか」

「ええ、用事があるのです」

明智はすましこんでいる。

神谷は仕方なく、今聞いた柳屋という酒屋へ電話をつないで、熊井のうちへ走ってもらうように頼んだ。

「モシモシ、熊井さんでございますか。あの柔道をなさる熊井さんですね。あのかたは、きょうお昼すぎ、急にお引越しなさいましたよ」

「えっ、引越したって? それ、ほんとうですか」

「ええ、うそなんか言いませんよ。なんだかひどく急なお話でしてね。箪笥だとか台所のものなんか、大抵古道具屋にお払いになった様子ですよ」

「で、国へ帰ったというのだね。あの人の国はどちらだったかしら」

「さあ、それはよく存じませんでしたが」

というようなことで電話が切れた。

神谷青年は、まったく度胆を抜かれてしまった。明智が稀代の名探偵であることは聞いていた。