Classici giapponesi con furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate
「や、失敬失敬、人違いだったよ。もういいからそいつをかぶって、商売をはじめてくれたまえ」
明智がお詫びをして立ち去ろうとすると、チンドン屋は又エヘヘヘヘヘと笑いながら、「どうか、これを一枚」と、曲馬団の広告ビラをさし出すのであった。
明智はなにげなくそれを受け取ったが、ふと気がつくと、石版刷りの広告文の裏に、何か鉛筆でなぐり書きがしてあった。おや、変だぞ。新しいはずの広告ビラにこんなものが……と裏返して、そのいたずら書きに眼をそそいだかと思うと、明智の表情はみるみる緊張して行った。
明智君、文代さんは大丈夫かね。
おれは一度思い立った事は、あくまでやりとげる性分だよ。
見覚えのある筆癖、果たして虎と豹とはどっかで結びついていた。例によって奇抜な「人間豹」の通信手段であった。
「おい、君、これはまさか君が書いたんじゃあるまいね」
明智のするどい眼に睨みつけられて、虎男はオドオドしながら、また例のお追従笑いをした。
「エヘヘヘヘヘ、わたしじゃござんせん。つい今しがた、見知らぬかたにこう頼まれたんですよ。あの路地に待っていると、これこれこういう風采の人が今に通りかかるから、その人に渡してくれって、鉛筆でもってビラの裏へ何か書きつけて行ったのですよ」