Classici giapponesi con furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate
明智は不覚にも不意を突かれて、身をかわす暇もなく、脳天に烈しい一撃を受けた。グラグラと天地が揺れるような感じ、たちまち眼界が闇に包まれて、地の底へ地の底へと落ちて行く。彼は気を失って、その場に倒れてしまったのだ。
「ウフフフフフ、ざまあ見ろ、名探偵さん、意気地がねえじゃねえか」
大男は足先で、明智のからだを突っつきながら毒口を叩いた。
「お二人さんお知合いと見えるね。ちょうどいいや、仲よくここで寝んねをしているんだね」
彼は用意の細引を取り出すと、死人のような探偵のからだを、グルグル巻きに縛り上げ、手拭を丸めて厳重な猿ぐつわをほどこした。
「こうしてね、あすの晩方まで我慢するんだ。あすの晩には万事O・Kってわけだからね」
男は二人のとりこを見おろしながら、さも得意らしくつぶやくのであった。
何が万事O・Kなのだ。あしたの晩にはこの二人が処分されるというのであろうか。それとも、もっと別な、一そう恐ろしい事柄を意味するのであろうか。
この大男は一体なにものであろう。むろん「人間豹」の手下には違いないのだが、大敵明智小五郎をこんな男に任せておくところをみると、人間豹自身には、何かのっぴきならぬ仕事があるのかもしれない。