Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じんめんそうものがたり

人面瘡物語

田中 貢太郎

Leggi 人面瘡物語 (じんめんそうものがたり) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5114 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

かけて怨みごとを始めたので、拙者は病気のことも忘れて、女子を突きのけて起ちあがり、枕頭の扇子で三つ四つ打ち据えると、女子は※り狂うて拙者の袂に武者ぶりつき、

『それほどにくいなら殺してくだされ、さあ殺せ、殺してくれ』

と云うので、拙者も若気の一徹、

『よし、それほど殺してもらいたいなら、望みどおりに殺してやる』

と、云って刀架の刀を抜く手も見せずに打ちおろすと、女子の首は前に飛んだが、それが落ちた処を見ると、顔を拙者の方へ向けて、生きておる時のように莞と笑っておるではないか、拙者は殺した者が笑うはずはない、これは気の迷いじゃと思うて、きっと心を沈めて見直したが、それでもやっぱり女子の顔は笑うておる」

八郎は背に悪寒を覚えた。彼は短檠の光がしめったように思った。

「拙者も夢の覚めたような気になって、女子を殺したのを後悔したが、もうとり返しがつかないので、老人達と相談して、其の日の中に葬送をすませたが、夜になると発熱して、股のあたりに非常な痛みを覚えたので、見ると一つの腫物が出来ていて、それが見るうちに大きくなり、奇怪な形のものとなったので、初めて医薬を塗り、祈祷もしたが、それでもすこしの印が無いところから、刃物で削り、灸でも焼き捨てようとしたが、後から後からと元のとおりの形になって、どうしても除くことができない