Classici giapponesi con furigana
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にんぎょ
人魚
火野 葦平
Leggi 人魚 (にんぎょ) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7457 caratteri · 15 schermate
人魚のからだのまわりに生まれた水泡が真珠の玉をまきちらすようにくるくると舞いあがります。
わたしはこういう人魚の姿態にみとれながら、いつか切なく胸くるしい思いにとらわれておりました。人魚があまりにうつくしすぎるからです。わたしはたびたびなめらかな人魚の肌に手をふれたい衝動にかられ、ふっくらとした乳房をくわえてみたい慾望を感じました。また黒髪の林のなかにもぐったり、腰のうえに馬のりになってみたいなどとも考えました。しかし、わたしはまるで射すくめられたようになにをすることもできず、かなしさに泣きたい思いがしてきたのです。わたしはわたしのみにくさがたまらなくなって、羞恥のおもいにもはや長くそこにいることすらつらくなってきました。河童とうまれた宿命をこれまでいちどもくやんだことはなかったのですが、このときになって自分のうけてきた血の宿命をうらむこころがわいたのです。青みどりいろの身体、毛ばだった頭髪とそのまんなかにある皿、背の甲羅、みずかきのある手足、とがったくちばし、そういう一切のものがすべてきたならしく、けがらわしいもののように、嫌悪の感情をもよおしてきました。