Classici giapponesi con furigana
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あだうちさんたい
仇討三態
菊池 寛
Leggi 仇討三態 (あだうちさんたい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.136 caratteri · 33 schermate
彼は、いかにもそれを軽蔑したような口調で、二十石五人扶持といったが、彼の旧主の鈴木源太夫の知行でさえ、本当は十石三人扶持しか取っていなかった。
「二十石五人扶持! 俺たちは、生涯にたった一度でもいいから、ありついてみたいものだ!」
お庭番の中間は、執拗に油をかけた。
「立派な上士格だ!」中間頭の左平までが、相槌を打った。
嘉平次は、相好を崩しながら、えへらえへらと笑った。実際お膳番を勤めていたのは、旧主の鈴木源太夫ではなくして、自分であったような気持にさえなっていた。
「道理で、包丁の味が違ってらあ!」
「この三杯酢の味なんか、お大名料理の味だ!」
嘉平次は、有頂天になっていた。彼は、お大名のお膳番の苦心談といったようなものを、話しはじめようかと思っていた。が、話題は彼の予期しない方へそれてしまった。
「そのお前さんが、どうしてまた、二十石の武士を棒に振りなさったのだ!」
左平が、崩れていた膝頭を立て直しながらきいた。嘉平次は、ちょっと狼狽した。彼は、ただ自分が昔お膳番を勤めていたとさえ思われさえすればよかったのだ。それから先の嘘は、少しも準備してはいなかったのだ。