Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あだうちさんたい

仇討三態

菊池 寛

Leggi 仇討三態 (あだうちさんたい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.136 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

「親の敵を討ちました。親の敵を討ちました」と、絶叫していた。

幸田とよ女の敵討は、丸亀藩孝女の仇討として、宝暦年間の江戸市中に轟き渡った。江戸の市民は、まだ二十になるかならぬかのかよわい少女の悲壮な振舞いを賛嘆し合った。とよ女の仇討談が、読売にまで歌われていた。それによると、父の幸田源助が討たれたとき、とよ女は、母の胎内に宿ってから、まだ三月にしかなっていなかった。母は、夫の横死の原因が自分であることを知っていたために、亡夫のために貞節を立て通した。とよ女が十六のときに、母は不幸にして、他界した。彼女は、死床にとよ女をよんで、初めて父の横死の子細を語って、仇討の一儀を誓わしめたというのであった。貞節悲壮な母子に対する賞賛は、江戸の隅々にまで伝わった。

嘉平次が、敵の鈴木源太夫であることについて誰も疑いを挟まなかった。町奉行の役人が、検死の時、念のためにというので、丸亀藩の屋敷へ人を迎えにやったが、ちょうど藩主が在国していたので、定府たちの間には、鈴木源太夫を見知っているものは、一人もいなかった。

ただ、当人のとよ女だけには、敵の傷の場所が、母の遺言の通り、眉間になくして、二の腕にあったのが、ちょっと気になった。