Classici giapponesi con furigana
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こんどこそ
今度こそ
片岡 鉄兵
Leggi 今度こそ (こんどこそ) di 片岡 鉄兵 (かたおかてっぺい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2432 caratteri · 5 schermate
甲吉の野郎、斯う云うのだ。
「何しろ俺には年とったおふくろもあるし、女房もあるし、餓鬼もあるし――」
だからストライキには反対だと云うんだ。それから、あいつはそっと小声でつぶやく、
「若え奴らのオダテに乗れるかい」
スキャップにはスキャップの理窟があるもんだ。馘になったら困る。今の世の中に仕事を捜すだけでも大変なんだ。
「俺ア厭だよ、おふくろや女房や餓鬼を飢えさせるなア、ごめん蒙りてえのさ」
そこで俺は云ってやった。
「兄弟、お前の云うなア尤もだ。全くこの不景気じゃア、一ぺん失職したら飢死だ。が、それだから資本家はそこを突け込んで来るんだ――だから、それだから俺らア弱味を見せちゃならねえんだ」
おふくろはお前えばかりにあるんじゃないよ――俺はそうも云ってやった。あらゆるプロレタリアに家族があるんだ。もしストライキの犠牲者として職場から追っぽり出されたら、困るのは誰だって同じことだ。それを恐れてたんじゃ、プロレタリアは永久に闘争なしで居なくちゃならない。永久に闘争しないのなら――畜生、資本家に搾られるだけ搾らせろとでも云うのか!
が、そういう風で甲吉の野郎はとうとうストライキに加わらなかった。