Classici giapponesi con furigana
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いまどしんじゅう
今戸心中
広津 柳浪
Leggi 今戸心中 (いまどしんじゅう) di 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.688 caratteri · 74 schermate
と、西宮は眼を丸くした。
「私ゃ何だか……、欺されるような気がして」と、吉里は西宮を見ていた眼を畳へ移した。
「困るなア、どうも。まだ疑ぐッてるんだね。平田がそんな男か、そんな男でないか、五六年兄弟同様にしている私より、お前さんの方がよく知ッてるはずだ。私がまさかお前さんを欺す……」と、西宮がなお説き進もうとするのを、吉里は慌てて遮ッた。「あら、そうじゃアありませんよ。兄さんには済みません。勘忍して下さいよ。だッて、平田さんがあんまり平気だから……」
「なに平気なものか。平生あんなに快濶な男が、ろくに口も利き得ないで、お前さんの顔色ばかり見ていて、ここにも居得ないくらいだ」
「本統にそうなのなら、兄さんに心配させないで、直接に私によく話してくれるがいいじゃアありませんか」
「いや、話したろう。幾たびも話したはずだ。お前さんが相手にしないんじゃないか。話そうとすると、何を言うんですと言ッて腹を立つッて、平田は弱りきッていたんだ」
「だッて、私ゃ否ですもの」と、吉里は自分ながらおかしくなったらしくにっこりした。
「それ御覧。それだもの。平田が談話すことが出来るものか。