Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくしゃくのかんざし

伯爵の釵

泉 鏡花

Leggi 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.403 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

女弟子の驚いたのなぞは構わないが、読者を怯しては不可い。滝壷へ投沈めた同じ白金の釵が、その日のうちに再び紫玉の黒髪に戻った仔細を言おう。

池で、船の中へ鯉が飛込むと、弟子たちが手を拍つ、立騒ぐ声が響いて、最初は女中が小船で来た。……島へ渡した細綱を手繰って、立ちながら操るのだが、馴れたもので、あとを二押三押、屋形船が来ると、由を聞き、魚を視て、「まあ、」と目をったきり、慌しく引返した。が、間もあらせず、今度は印半纏を被た若いものに船を操らせて、亭主らしい年配な法体したのが漕ぎつけて、「これはこれは太夫様。」亭主も逸早くそれを知っていて、恭しく挨拶をした。浴衣の上だけれど、紋の着いた薄羽織を引かけていたが、さて、「改めて御祝儀を申述べます。目の下二尺三貫目は掛りましょう。」とて、……及び腰に覗いて魂消ている若衆に目配せで頷せて、「かような大魚、しかも出世魚と申す鯉魚の、お船へ飛込みましたというは、類稀な不思議な祥瑞。おめでとう存じまする、皆、太夫様の御人徳。続きましては、手前預りまする池なり、所持の屋形船。烏滸がましゅうござりますが、従って手前どもも、太夫様の福分、徳分、未曾有の御人気の、はや幾分かおこぼれを頂戴いたしたも同じ儀で、かような心嬉しい事はござりませぬ。