Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくしゃくのかんざし

伯爵の釵

泉 鏡花

Leggi 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.403 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

――天の時、地の利、人の和、まさしく時節じゃ。――ここの大池の中洲の島に、かりの法壇を設けて、雨を祈ると触れてな。……袴、練衣、烏帽子、狩衣、白拍子の姿が可かろう。衆人めぐり見る中へ、その姿をあの島の柳の上へ高く顕し、大空へ向って拝をされい。祭文にも歌にも及ばぬ。天竜、雲を遣り、雷を放ち、雨を漲らすは、明午を過ぎて申の上刻に分豪も相違ない。国境の山、赤く、黄に、峰岳を重ねて爛れた奥に、白蓮の花、玉の掌ほどに白く聳えたのは、四時に雪を頂いて幾万年の白山じゃ。貴女、時を計って、その鸚鵡の釵を抜いて、山の其方に向って翳すを合図に、雲は竜のごとく湧いて出よう。――なおその上に、可いか、名を挙げられい。……」

――賢人の釣を垂れしは、

厳陵瀬の河の水。

月影ながらもる夏は、

山田の筧の水とかや。――……

十一

翌日の午後の公園は、炎天の下に雲よりは早く黒くなって人が湧いた。煉瓦を羽蟻で包んだような凄じい群集である。

かりに、鎌倉殿としておこう。この……県に成上の豪族、色好みの男爵で、面構も風采も巨頭公によう似たのが、劇興行のはじめから他に手を貸さないで紫玉を贔屓した、既に昨夜もある処で一所になる約束があった。