Classici giapponesi con furigana
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
Leggi 何者 (なにもの) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.449 caratteri · 77 schermate
私は彼の論理一点張りが不服であった。
「イヤ、闇夜だったからこそ、あんな足跡になったのだ。君は少し見当違いをしているようだが、僕の云う意味はね、ただ通った道が違っていたということではないのだよ。二つの足跡が故意に(確に故意にだ)離してあったということはね、賊が自分の来た時の足跡を踏むまいとしたからではないかと、僕は思うのだ。それには、闇夜だから、用心深く余程離れた所を歩かなくてはならない。ね、そこに意味があるのだよ。念の為に波多野さんに、往き帰りの足跡の重なった所はなかったかと確めて見たが、無論一ヶ所もないということだった。あの闇夜に、同じ二点間を歩いた往き帰りの足跡が、一つも重なっていなかったなんて、偶然にしては少し変だとは思わないかね」
「成程、そう云えば少し変だね。併し何故賊が足跡を重ねまいと、そんな苦労をしなければならなかったのだね。凡そ意味がないじゃないか」
「イヤ、あるんだよ。が、まあその次を考えて見よう」
弘一君はシャーロック・ホームズみたいに、結論を隠したがる。これも彼の日頃の癖である。
顔は青ざめ、息使いは荒く、嵩だかく繃帯を巻きつけた患部が、まだ痛むと見えて、時々眉をしかめる様な状態でいて、探偵談となると、弘一君は特殊の情熱を示すのだ。