Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かじつ

佳日

太宰 治

Leggi 佳日 (かじつ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.912 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

」小坂氏は苦笑して、「どうぞ、ビイルを、しっかり。」

私はただ、ビイルをしっかり飲むばかりである。なんという迂濶な男だ。戦死と出征であったのに。

その日、小坂氏と相談して結婚の日取をきめた。暦を調べて仏滅だの大安だのと騒ぐ必要は無かった。四月二十九日。これ以上の佳日は無い筈である。場所は、小坂氏のお宅の近くの或る支那料理屋。その料理屋には、神前挙式場も設備せられてある由で、とにかく、そのほうの交渉はいっさい小坂氏にお任せする事にした。また媒妁人は、大学で私たちに東洋美術史を教え、大隅君の就職の世話などもして下さった瀬川先生がよろしくはないか、という私の口ごもりながらの提案を、小坂氏一族は、気軽に受けいれてくれた。

「瀬川さんだったら、大隅君にも不服は無い筈です。けれども瀬川さんは、なかなか気むずかしいお方ですから、引受けて下さるかどうか、とにかく、きょうこれから私が先生のお宅へお伺いして、懇願してみましょう。」

大きい失敗の無いうちに引上げるのが賢明である。思慮分別の深い結納のお使者は、ひどく酔いました、これは、ひどく酔いました、と言いながら、紋附羽織と白足袋をまた風呂敷に包んで持って、どうやら無事に、会津藩士の邸宅から脱れ出ることが出来たのである。