Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふしゅう

俘囚

海野 十三

Leggi 俘囚 (ふしゅう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.938 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

魚子よ、僕はもう再び君の前に、姿を現わすことが出来なくなった。ああ、その訳は……?

魚子よ、君は用心しなければいけない。あの銀行の金庫を襲った不思議の犯人は、世にも恐ろしい奴だ。彼奴の真の目標は、ひょっとすると、此の僕にあったのではないかと考える。僕は……僕は今や真実を書き残して、愛する君に伝える。――僕は夜のうちに、あの隆々たる鼻と、キリリと引締っていた唇と(自分のものを褒めることを嗤わないで呉れ、これが本当に褒め納めなのだから)――僕はその鼻と唇とを失ってしまった。夜中に不図眼が醒めて、なんとなく変な気持なので、起き出したところ、僕は君の化粧台の鏡の中に、世にも醜い男の姿を発見したのだ! これ以上は、書くことを許して呉れ。

そして最後に一言祈る。君の身体の上に、僕の遭ったような危害の加えざらんことを。

松永哲夫」

この手紙を読み終って、あたしは悲歎に暮れた。なんという非道いことをする悪漢だろう。銀行の金を盗み、番人を殺した上に、松永の美しい顔面を惨たらしく破壊して逃げるとは!

一体、そんなことをする悪漢は、何奴だろうか。手紙の中には、犯人は松永を目標とする者だと思うと、書いてあった。