Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐうかんいちご

偶感一語

宮本 百合子

Leggi 偶感一語 (ぐうかんいちご) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4683 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

率直な表現を許して下されば、今、私は、自分の「真個なもの」によって、結婚した両性の愛は、何も、ちょくちょく顔を見なければおられない筈のものでも無く、自分の愛情の表現に対して、必ず、同様な方法によって応答して貰わなければ寂寥に堪えないというようなものであるべきでないことは、熟知しているのです。これ等は明に第二次的のものであるのを、よくよく知っています。

けれども、現在の自分にとっては、その第二次的な具体的な表現が、愛の強い信任と同様の重量を持つ場合が多々あるのです。

従って、自分が死去した良人を追慕し、彼が自分の隣に坐っていた時と同様の愛に燃立った時、それに応えてくれる声、眼、彼の全部を持ち得ないのだと想うことは、どれ程の空虚を感じるかということは明かです。

その空虚の予感が自分を苦しめます。考えさせずには置きません。

自分は、単に哲学的思弁によって肯定し得るばかりで無く、全我、全人格を以て、「生くるとも死ぬるとも我等は一つなれば」という悟りの境涯に入り度いのです。

少くとも、非常な場合に、結婚と同様な、一種の人格的飛躍で、その域に達し得るだけの叡智を持っていることだけは自信したいのです。