Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちゅうとう
偸盗
Leggi 偸盗 (ちゅうとう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.934 caratteri · 97 schermate
」
「うるさい。言うか、言わぬか。」
「言う。言う。言う。が、まず、そこを放してくれ。これでは、息がつまって、口がきけぬわ。」
太郎は、それを耳にもかけないように、殺気立った声で、いらだたしく繰り返した。
「言うか、言わぬか。」
「言う。」と、猪熊の爺は、声をふりしぼって、まだはね返そうと、もがきながら、「言うともな。あれはただ、わしが薬をのましょうと思うたのじゃ。それを、あの阿濃の阿呆めが、どうしても飲みおらぬ。されば、ついわしも手荒な事をした。それだけじゃ。いや、まだある。薬をこしらえおったのは、おばばじゃ。わしの知った事ではない。」
「薬? では、堕胎薬だな。いくら阿呆でも、いやがる者をつかまえて、非道な事をするおやじだ。」
「それ見い。言えと言うから、言えば、なおおぬしは、わしを殺す気になるわ。人殺し。極道。」
「たれがおぬしを殺すと言った?」
「殺さぬ気なら、なぜおぬしこそ、太刀の柄へ手をかけているのじゃ。」
老人は、汗にぬれたはげ頭を仰向けて、上目に太郎を見上げながら、口角に泡をためて、こう叫んだ。太郎は、はっと思った。殺すなら、今だという気が、心頭をかすめて、一閃する。