Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

Leggi 偸盗 (ちゅうとう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.934 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

」

「おおかた、この上に寝ておろう。」

「や、上で猫が鳴くぞ。」

みな、一時にひっそりとなった。その中を、絶え絶えにつづく猪熊の爺のうなり声と一つになって、かすかに猫の声が聞こえて来る。と流れ風が、始めてなま暖かく、柱の間を吹いて、うす甘い凌霄花のにおいが、どこからかそっと一同の鼻を襲った。

「猫も化けるそうな。」

「阿濃の相手には、猫の化けた、老いぼれが相当じゃよ。」

すると、沙金が、衣ずれの音をさせて、たしなめるように、こう言った。

「猫じゃないよ。ちょっとたれか行って、見て来ておくれ。」

声に応じて、交野の平六が、太刀の鞘を、柱にぶっつけながら、立ち上がった。楼上に通う梯子は、二十いくつの段をきざんで、その柱の向こうにかかっている。――一同は、理由のない不安に襲われて、しばらくはたれも口をとざしてしまった。その間をただ、凌霄花のにおいのする風が、またしてもかすかに、通りぬけると、たちまち楼上で平六の、何か、わめく声がした。そうして、ほどなく急いで梯子をおりて来る足音が、あわただしく、重苦しい暗をかき乱した。――ただ事ではない。

「どうじゃ。阿濃めが、子を産みおったわ。