Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とうせいかつしゃ

党生活者

小林 多喜二

Leggi 党生活者 (とうせいかつしゃ) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.537 caratteri · 130 schermate

Aozora Bunko

この第一関門がパッスすると、今度は門衛の御検閲だ。然しそこはビラを持って入るものがこれに引ッ掛からないようにすることだった。太田はそれには女のメンバーを使っていた。太田によると「成るべく女のお臍から下の方へ入れると安全だ」った。彼奴等はまだそこを調らべるほどには恥知らずになってはいないらしい。

次の朝、衣服箱を開けると、ビラが入っている! 波のような感情が瞬間サッと身体を突走ってゆく。職場に入って行くと、隣りの女がビラを読んでいた。小学生のように一字一字を拾って、分らない字の所にくると頭に小指を入れて掻いていた。私を見ると、

「これ本当!」

と訊いた。十円のことを云っているのだ。

私は、本当も本当、大本当だろうと云った。女は、すると、

「糞いま/\しいわネ。」

と云った。

工場では私は「それらしい人間」として浮き上がっている。私はビラの入る入らないに拘らず、みんなが会社のことを色々としゃべり合っている事についてはその大小を問わず、何時でも積極的に口を入れ、正しいハッキリした方向へそれを持ってゆくことに心掛けていた。何か事件があったときに、何時でも自分達の先頭に立ってくれる人であるという風な信頼は普段からかち得て置かなければならないのである。