Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にゅうばい

入梅

久坂 葉子

Leggi 入梅 (にゅうばい) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9934 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

でも私は私の気持を詮索する余裕さえなかった。二人が関係していると気附いたから憤ったのだろうか、いやそんなことはもう前々からもしやと思っていたから今さら驚くことはない。が私は二人が同時に顔を出したのに、何か強い反撥を感じたのだ。作衛のいう使いの報告も碌にきかないで一言も云わずに食事をすませた。二人とも何かそわそわしてて口もきかず――いや殊に私の目からそう見えたのかも知れないが、――行雄一人が今日行った知人のところでの御菓子がおいしかったとそればかり云っていた。私は創作もしないで寝床をひくとすぐ横になった。電気を消すとすぐ、傍の行雄は疲れたせいか、すやすやと寝息をたてており、そのかわいい手は私の床の方へと無意識にさしのばしていた。私はそれを見ると急に泣けて来た。そして夫の肉体がありありと胸にうかび、夫のにおいを思い出した。私は行雄の手をにぎると、そっとふとんの中へ入れてやり、反対側をむいて目を閉じた。孤独って何て嫌なものだろう。私はそう思った。そして、作衛とおはるのことも極自然なことのように思えた。そして二人をとがむよりも、自分自身があわれでたまらなかった。