Classici giapponesi con furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate
北山は小判を突き付けた。「それなら文句はないだろう」
二七
若者は小判を手に受けた。
「どうしてご持参なさいます?」
「持って帰るには及ばないよ」
北山は懐中から黄袋を出した。「食い合いっ振りが見たいのさ」
黄袋の口を檻の上へ傾げた。粉薬をサラサラと檻の中へこぼした。だが全部はこぼさなかった。半分がところで止めてしまった。
粉薬が六匹の蛇へかかった。蛇は一斉に鎌首を上げた。プーッと頬を膨らせた。全身をウネウネと蜒らせた。真っ直ぐに体を押っ立てた。長い蝋燭が立ったようであった。俄然六匹は食い合いを始めた。
ゾッとするような光景であった。
まず一匹が咽喉を咬まれた。白い体が血にまみれた。と、グンニャリと倒れてしまった。長く延びて動かなくなった。死骸の上をのたくりながら、五匹の蛇は格闘をつづけた。また二匹目が食い殺された。つづいて三匹目が食い殺された。尚三匹は戦っていた。だが次々に死んで行った。最後の一匹も死んでしまった。
若者は拳を握りしめていた。
北山は気味悪く微笑した。
「まずこれで安心した……悪人の媒介も根絶やしになった……そうして薬の利き目も解った……それじゃあご免よ。