Classici giapponesi con furigana
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きょうどうこうさく
共同耕作
宮本 百合子
Leggi 共同耕作 (きょうどうこうさく) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3078 caratteri · 7 schermate
裏のくぬぎ林のあっちをゴーゴーと二番の上りが通った。
とめはいそいで自分のたべた飯茶碗を流しの小桶の中へつけると、野良着へ手拭をしっかりかぶって、土間から自転車をひき出した。
「もう行くか」
「ああ」
炉ぶちのむしろから、年はそうよってないのに腰のかがんだ親父の市次が立って来て、心配そうに云った。
「――めったと皆の衆の前さ、目え立つようなところさツン出るでねえゾ、ええか!」
市次は組合へ入ってる癖に引こみ思案で、小作争議の応援になんぞにはどうしても出たがらない。俺ア年だで、皆の衆やってくんろと尻ごみするのだ。マンノーをくくりつけた自転車を往還まで押し出すと、とめはペダルへ片足かけヒラリと身軽くとびのった。
鶏がびっくりして、コッコッコッとわきの草むらへかけ込む。朝の早い野良道をずっとずっと遠くなっても、自転車にのって行く元気なとめの、赤い前垂の紐の色が見えた。
×元村の深田と云えば、有名な強慾地主だ。去年の夏、明治二十何年とかに入れた証文に物を云わせ、小作の権太郎の家の大けやきを伐らせちまったのも深田だ。権太郎の息子が組合員だし働きものでしっかりしている。