Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふゆのはなび

冬の花火

太宰 治

Leggi 冬の花火 (ふゆのはなび) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.986 caratteri · 44 schermate

Aozora Bunko

でも、そんな時代は、もう、永遠に、(思わず溜息をつく)永遠に、来ないのかも知れないわ。冬の花火、冬の花火。ばからしくて間が抜けて、(片手にパチパチいう花火を持ったまま、もう一方の手で涙を拭く)清蔵さん、あなたもあたしも、いいえ、日本の人全部が、こんな、冬の花火みたいなものだわ。

(清蔵)(気抜けした態で)それは、どんな意味です。

(数枝) 意味も何もありやしないわ。見ればわかるじゃないの。日本は、もう、(突然、花火をやめて、袖で顔を覆う)何もかも、だめなのだわ。(袖から顔を半分出し、嗚咽しながら少し笑い)そうして、あたしも、もうだめなのだわ。どんなにあがいて努めても、だめになるだけなのだわ。

(清蔵)(何か勘違いしたらしく、もぞりと一膝すすめて)そう、そうです。このままでは、だめです。思い切って生活をかえる事です。睦子さんひとりくらいは立派に私が引受けて見せます。私の家はご承知のようにこのへんでたった一軒の精米屋ですから、米のほうは、どんなにしたってやりくりがつくのです。いまは精米屋が一ばんです。地主よりも誰よりも米の自由がきくのです。

(数枝)(全然それを聞いていない様子で、膝の上で袖の端をいじりながら)いつから日本の人が、こんなにあさましくて、嘘つきになったのでしょう。