Classici giapponesi con furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Leggi 凡人伝 (ぼんじんでん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.944 caratteri · 202 schermate
十で神童
「まあ/\、見ていろ」
「正気?」
「無論だ」
「それじゃ見ているわ。けれどももう一つ伺いたいことがありますよ」
「何だ?」
「受験書の方は何うなさいますの?」
「待って貰う」
「厭よ」
「何故?」
「印税が来なくて後から困るようなことはなくて?」
「お前達に餒い思いはさせないよ」
「それじゃ勝手にお書きなさいませ。書けるものなら」
「書くとも」
と私は意地ずくにも稿を起さなければならないことになった。
凡人伝なるかな! 凡人伝なるかな! これに限る。
十で神童
「品行方正学術優等」
これが私の小学時代全幅を語る。その頃は尋常科が四年、高等科が四年だった。私は八年間を優等の模範生で通したので、卒業の折、郡長さんから賞状を戴いた。去年まではそれに日本外史が二十二冊ついていたが、その年から町の本屋が寄附しなくなったので賞状丈けだということを父親から聞いた。私の父親はその小学校の校長だった。私が年々優等証を貰ったのも偶然でない。校長さんの子だというので、先生方が特別に目をかけてくれた。もう一方私に於いても、校長の子だからと思って人一倍努力したのである。
父親は然うでもなかったが、母親は頗る厳しかった。