Classici giapponesi con furigana
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おとめのきとアブ・サルガ
処女の木とアブ・サルガ
野上 豊一郎
Leggi 処女の木とアブ・サルガ (おとめのきとアブ・サルガ) di 野上 豊一郎 (のがみとよいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.098 caratteri · 20 schermate
ものと思われる。謡曲の文句ではないが、老木も若みどりといったような感じである。『ベデカ』に拠ると、此の老木は一六七二年以後に植え替えられた何代目かの「処女の木」らしい。小枝のそこここに細いきれが結びつけてあるのを日本流に解釈して、いずれ黒ん坊の若者や娘たちが縁結びの願いごとでもする習慣があるのだろうと思ったら、サイドの説明では、母親が子供の病気平癒の願がけをするのだという。聖母とキリストを庇った聖木だから今も霊験あらたかだと信じているらしい。
その話で私はウセルトセン一世のオベリスクの下で包囲されたきたない年若な親たちの群を思い出した。どれを見ても皆アラビア人らしく、オベリスクを見てしまって私たちが車に乗ると、それまでは筋骨逞ましいサイドが赤いタルブシュ(トルコ帽)をかぶって鞭を持って傍に付いていたので寄りつかなかった彼等が、用心棒も一所に車に入り車掌台の隣りに掛けたのを見ると、忽ちどっとたかって来て、バクシシュ、バクシシュと叫びながら手をさし出した。マリアのように、片手で赤ん坊を胸に抱えながら、中には十三四の小娘のようなのもあった。あれもお母さんかと聞いたら、そうだといってサイドは苦笑していた。