Classici giapponesi con furigana
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しょしゅうかいひんき
初秋海浜記
豊島 与志雄
Leggi 初秋海浜記 (しょしゅうかいひんき) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3606 caratteri · 8 schermate
」
「なあに、そうでもねえですよ、あはははは。」
日に一升の酒がなければ一日が過せないという老人である。以前は網元をして田地も可なりあったが、みな飲んでしまったそうである。それでも、しっかり者の上さんと息子とがついてるので、日に一升の酒を欠かしたことがなく、その上、そこいらの百姓と違って、毎日米の飯に、どんな不漁でも肴を食う、というのが自慢だった。そして朝っぱらから、一升壜を下げて旅館の酒を買いに来るのである。
「どうだろう、海の模様は。いやに霧が深いようだが……。」
「その霧が問題だよ。こう、ずーっと海面を這えば雨、空せえ上れば天気と、そう、まあきまったもんだが、なあに、今日は大丈夫、今に見ていてごらんなせえ、霧が上へ上へとあがって、鳥の飛んでるのが見えてくるから……。浜に鳥が群れていれば、沖へ魚がついていると、そういうわけだよ。」
そして彼は、これから大漁が続くと予言しながら、漁の少い夏場だけやって来る旅客をけなし、遅くまで居残ってる私をほめ、第一これからは、川に群れてる鯔にも脂がのってくる、鯔の食える季節は、山に初茸の出る時期の間だけだと、そんなことを話してきかした。