Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Leggi 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.985 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

「左様なら!」

「さよなら!」

を言って、後を黙あっていて見せる。私は、お宮の方でも、そうだろうと思っていた。

そうして交換手に「もう五分間来ましたよ。」と、催促をせられて、そのまゝ惜しいが切って了うこともあったが、後には、あとからまた一つ落して、続けることもあった。白銅を三つ入れたこともあれば、十銭銀貨を入れたこともあった。私は、気にして、始終白銅を絶やさないようにしていた。

珍らしく一週間も経って、桜木では、此の間のようなこともあったし、元々其家は長田の定宿のようになっている処だから、また何様なことで、何が分るかも知れないと思って、お宮に電話で、桜木は何だか厭だから、是非何処か、お前の知った他の待合にしてというと、それではこれ/\の処に菊水という、桜木ほどに清潔ではないが、私の気の置けない小い家があるから、と、約束をして、私は、ものの一と月も顔を見なかったような、急々した心持をしながら、電話で聞いただけでは、其の菊水という家もよく分らないし、一つは沢村という家は何様な家か見て置きたいとも思って、人形町の停留場で降りて、行って見ると、成程蠣殻町二丁目十四番地に、沢村ヒサと女名前の小い表札を打った家がある。