Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しせい

刺青

谷崎 潤一郎

Leggi 刺青 (しせい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5651 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

達磨金はぼかし刺が得意と云われ、唐草権太は朱刺の名手と讃えられ、清吉は又奇警な構図と妖艶な線とで名を知られた。

もと豊国国貞の風を慕って、浮世絵師の渡世をして居たゞけに、刺青師に堕落してからの清吉にもさすが畫工らしい良心と、鋭感とが残って居た。彼の心を惹きつける程の皮膚と骨組みとを持つ人でなければ、彼の刺青を購う訳には行かなかった。たま/\描いて貰えるとしても、一切の構図と費用とを彼の望むがまゝにして、其の上堪え難い針先の苦痛を、一と月も二た月もこらえねばならなかった。

この若い刺青師の心には、人知らぬ快楽と宿願とが潜んで居た。彼が人々の肌を針で突き刺す時、真紅に血を含んで脹れ上る肉の疼きに堪えかねて、大抵の男は苦しき呻き声を発したが、其の呻きごえが激しければ激しい程、彼は不思議に云い難き愉快を感じるのであった。刺青のうちでも殊に痛いと云われる朱刺、ぼかしぼり、―――それを用うる事を彼は殊更喜んだ。一日平均五六百本の針に刺されて、色上げを良くする為め湯へ浴って出て来る人は、皆半死半生の体で清吉の足下に打ち倒れたまゝ、暫くは身動きさえも出来なかった。その無残な姿をいつも清吉は冷やかに眺めて、