Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜんしょう

前哨

黒島 伝治

Leggi 前哨 (ぜんしょう) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8857 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

北満の曠野は限りがなかった。茫漠たる前方にあたって一軒の家屋が見えた。地図を片手に、さぐり/\進んでいた深山軍曹は、もう、命じられた地点に来たと了解した。ところどころに、黒龍江軍の造った塹壕のあとがあった。そこにもみな、土が凍っていた。彼等は、棄てられた一軒の小屋に這入って、寒さをしのぎつゝ、そこから、敵の有様を偵察することにきめた。

その小屋は、土を積み重ねて造ったものだった。屋根は、屋根裏に、高粱稈を渡し、その上に、土を薄く、まんべんなく載せてあった。扉は、モギ取られていた。内部には、床も棚も、腰掛けも、木片一ツもなかった。たゞ、比較的新しいアンペラの切れと、焚き火のあとがあった。恐らく、誰れかの掠奪にでもあったのだろう。

「おや、おや、まだ、あしこに、もう一軒、家があるが。」

内部の検分を終えて、外に出た大西が、ふりかえって叫んだ。それは五十米と距らない赭土の掘割りの中に、まるで土の色をして保護色に守られて建っていた。

「あいつも見て置く必要があるな。」

浜田は、さきに立って、ツカ/\と進もうとした。その時赭土の家からヒョイと一人の中山服が顔を出した。