Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Leggi 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.568 caratteri · 98 schermate

Aozora Bunko

じっと狙ったは老人の首で、ジリジリジリジリと擦り寄って行った。

11

「親分おいででござんすかえ」

「はいはいおいででございます」

「これは親分お早うございます」

「はいはいお早うございます」

「たんへんな事件が起こりましたので」

「ははあ左様で、承わりましょう」

「加賀屋の主人が消えましたんで」

「これは事件でございますな」

「昨夜のことでございますよ」

「ははあ左様で、昨夜のことで」

「いまだに行方が知れませんので」

「なるほどこれは大変なことで」

「家内中大騒ぎでございますよ」

「これは騒ぐのが当然で」

「ところがああいう大家のことなので、表立って世間へは知らせられないそうで」

「もっとももっとも……もっとももっとも」

「それ信用にも関しますので」

「左様どころではございません」

「一通り訊いては参りました」

「これはお手柄、承わりましょう」

「ええと昨夜も更けた頃に、町方のお役人がこっそりと、加賀屋へ参ったそうでございますよ」

「ああ町方のお役人様がね」

「で主人と逢いましたそうで」

「ああ左様で、源右衛門さんとね」

「ええそれからヒソヒソ話……」

「ははあお役人と源右衛門さんがね」

「と、どうしたのか源右衛門さんには、にわかに血相を変えまして、奥へ入ったということで」