Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Leggi 剣侠 (けんきょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.961 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

足を払おうとしたのであろう、そろそろと六尺棒を横に構え、膝を折り敷くとヒュ――ッと、一揮! 瞬間にもう一つの人影が、これは材木の立てかけてある陰から、小鬼のように躍り出た。

「ワッ」

クルクルと六尺棒が、宙に刎ね上って旋回し、夜廻りは足を空にして、丸太のようにぶっ仆れた。

陣十郎ははじめて驚き、前へ二間ほど速に飛び、そこでヒラリと振り返って見た。

一人の男が地に仆れてい、その傍らに一人の女が、血にぬれた匕首を片手に持ち、片手で衣装の裾をかかげ、月光に白々と顔を浮かせ、その顔を気味悪く微笑させ、陣十郎の方を見詰めていた。

「陣十郎さん、あぶなかったねえ」

「誰だ。……や、貴様はお妻」

「情婦を忘れちゃ仕方がないよ」

「うむ。……しかし……どうしたんだ」

「そいつアこっちで云うことさ。……一体こいつアどうしたんだえ」

「どうしたと云って……やり損なったのよ」

「そうらしいね、そうらしいよ。……それにしてもヤキが廻ったねえ」

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「ヤキが廻ったと、莫迦を云うな、人間時々しくじることもある。……それはそうとお前はどうして?」

「ここへ来たかというのかえ。……下谷の常磐で待ち合わそうと、お前と約束はしたけれど、気になったので見に来ると……」