Classici giapponesi con furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Leggi 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.262 caratteri · 243 schermate
口銭を稼ぐくらいでは追っつかない。無論それまでにはドカッと一儲けする気だけれど、慰藉料を製本料へ注ぎ込んで貰わなければなるまい。これは断って置かなかったけれど、こゝに書いて置けば、妻が後から読んでくれる。
僕の小説はもう可なりセンセーションを捲き起しているのらしい。未だ発表しないから、無論一般的ではないが、妻を初めとして書かれる人物が深い関心を持っている。
「君、お手軟かに願うぜ」
と今朝も菊太郎君が言った。取引所へ出掛ける時だった。
「いや、侃々諤々、筆は決して曲げない」
「兎に角、僕の家庭に風波を起すようなことは書かないでくれ給え」
「無論悪意はないんだから安心してくれ給え。しかし自分で蒔いて自分で刈る分には仕方がないよ」
「それは何の件だい?」
「向う脛が疵だらけだから、直ぐに笹原が走るんだ。悪いことは出来ないよ」
「一体、何の程度まで素っぱぬくんだか、見当がつかない。打ち合せのために一遍読ませてくれないか?」
「大したことはないんだよ」
「いや、請判を頼んだことなんか書き立てられると信用に関係する」
「どうして知っているんだい?」
「妻から聞いたよ」
「奥さんが読んだのかい?」