Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きたのはてのちに

北のはての地に

風巻 景次郎

Leggi 北のはての地に (きたのはてのちに) di 風巻 景次郎 (かざまきけいじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1578 caratteri · 4 schermate

Aozora Bunko

その精霊から人間の子孫が出てきてもおかしくはなかった。

北緯四十度圏の北海道では自然は人に対立する。人が人らしい環境に生きようとすれば、人は人工的に自然に対して立たねばならぬ。家一つたてても、都会一つをつくっても、すべてそうである。ここの自然はひたすらに激しい。その明るさは冷たくて真空である。われわれはここではつきつめた人生の考え方に追いやられる。天国と地獄とがここでは対立する。神秘と汚辱が、清澄と醜悪とが、神と悪魔とが、智恵と肉慾とが、柔和と冷酷とが対立する。それは、旧日本にはあり得なかった精神の生長の地盤である。北緯四十度圏の北海道の自然の見てくれが、本州や九州やと違うだけでない。そこでは自然と人間との関係が違っていることを身にしみて感じないではいられない。つまりそれは二千年の間にアルプスの北側にヨーロッパ文化を育成していった、あの北緯四十度圏と親しい類似を持った自然である。そこでは人間は考える葦となって、天につながろうとし、肉感にまみれて、地上に人工の花を開く。北海道にもそういった人間の野望が生まれていいではなかろうか。三十度圏の日本に真似てはならない。