Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 251.906 caratteri · 495 schermate
その犬至って智あり、夜分これを放てば敵国に入り、回徒に遭わば必ず襲うてこれを片砕すれど、キリスト教徒を嗅ぎ知りて害せず、守護し導いて砦まで送り届く。一たび鈴鳴を聞かば群犬たちまち聚まり、食事しおわりて各その受持の場に趣く事斥候間諜に異ならず。トルコ人に囚われたキリスト教徒機会を得て忍び脱れ、犬に助けられて還る者多く、予かの地にあった時も、一人かくして露国より逃げ来ったを見たと。
ベーコン卿の『シルヴァ・シルワルム』に、犬が犬殺しを識るは普通に知れ渡った事で、狂犬荒るる時微かに卑人を派して犬を殺さしむるに、かつて犬殺しを見た事もなき犬ども集り来て吠え奔ると。『程氏遺書』に曰く、犬屠人を吠ゆ、世に伝う、物ありこれに随うとは非なり、これ正に海上の鴎のごときのみと。これは宋人が屠者には殺された犬の幽霊が降き歩く、それを見て犬が吠えるといったに対して程子は、『列子』に見えた海上の人鴎に親しみ遊んだが、一旦これを捕えんと思い立つと鴎が更に近付かなんだ例に同じく、屠者に殺意あれば犬直ちにこれを感じ知ると考えたのだ。予もかつて、ある妖狐を畜って富を致す評ある人が町を通ると、生まれて数月なる犬児が吠え付き、その袖や裾に噛み付いて息まず、それを見いた飼主が気の毒がってその犬児を棄てた始終を黙って見届けた事がある。