Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(下)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 251.906 caratteri · 495 schermate

Aozora Bunko

などと繰りたり、私だってイじゃありませんかと、手で捜りに来たり、誘惑の限りを尽すも少しも動ぜぬから、今度はいよいよ化け物類の出勤時間、草木も眠る真夜中に、彼ら総出で何とも知れぬ大声で噪ぎ立て、獅・豹・熊・牛・蝮蛇・蠍・狼の諸形を現じて尊者の身が切れ切れになるまでさいなんだが、本人はロハで動物園を拝見したつもりで笑うて居るから埒が明かず。時に洞窟の上開いて霊光射下り諸鬼皆となり、尊者の創ことごとく愈えて洞天また閉じ合うたという。この時サタンが尊者を誘惑擾乱に力めたところが欧州名工の画題の最も高名な一つで、サルワトル・ロザ以下その考案に脳力を腎虚させた。

それからまた奇談といわば、アントニウス尊者荒寥地に独棲苦行神を驚かすばかりなる間、一日天に声ありてアントニウスよ汝の行いはアレキサンドリヤの一履繕い師に及ばずと言う。尊者聞いてすなわち起ち、杖に縋って彼所に往きその履工を訪うと、履工かかる聖人の光臨に逢うて誠に痛み入った。爾時尊者面を和らげ近く寄って、われに汝の暮し様を語れという。履工これは畏れ入ります、もとより手と足ばかりの貧乏人故何たる善根も施し得ませぬ。