Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

じゅうはちじょうおつ

十八条乙

山本 周五郎

Leggi 十八条乙 (じゅうはちじょうおつ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.127 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

「おれはおまえを憎んでいるんだぞ」

「それでお気が済むなら憎んで下さい、わたくしあなたの妻ですから、あなたが出ていらっしゃるならわたくしもまいります」

「放せ、うるさいぞ」

「放しません、わたくしごいっしょにまいります」

庄兵衛は妻を突きとばした。あやはうしろへよろめいて膝を突き、庄兵衛は笠木塀のほうへ歩み寄った。そして、木戸になっている笠木のない部分へ手を掛けると、それを外へ乗り越えようとした。そのときあやが走って来、庄兵衛の着物の袖を掴んだ。力いっぱいな掴みかたで、振放すことができない。庄兵衛も袖のこっちを握り、袖が千切れないようにして塀の外へおりた。すると、その力を利用したのだろう、あやははずみをつけて伸びあがり、塀の上へ両手でしがみついた。

「あなたはあやを置いてはゆけない筈です」とあやは悲鳴のように叫んだ、「わたくしの、この右の手を見て下さい」

庄兵衛は振向いた。月がま上にあり、塀にしがみついたあやの手を照らしていた。あやの右手にある大きな火傷の、ひきつれになった痕が、雲母でも貼ったように光ってみえた。

「あなたはいつか仰しゃいましたわ」とあやはふるえる声で云った、「こんな手にしてしまって、もう嫁にはいけないなあって」