Classici giapponesi con furigana
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ちよこ(さん)
千世子(三)
宮本 百合子
Leggi 千世子(三) (ちよこ(さん)) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.906 caratteri · 54 schermate
軽い夕飯をすましてから千世子は近頃にない真面目な様子でたまって居る手紙の返事や日記をつけた。
その日から三日先の頁へほんの出来心で千世子は大きく白い処いっぱいに、「赤んべー」をして居る顔を描いた。そしてそのわきにボキボキと、
いいい
と書きそえた。
自分でもよくあきないで居ると思うほど長い間それを見つめて居た。
白鳩を呉れると云ってよこした友達に斯んな返事を、不器用なペン字で書いてやった。
小供っぽい私はほんとうに喜こんで居ますよ。
可哀いい白鳩の若い御夫婦が私の庭に来て呉れる日を今っから待って居るんです。
香りの高い紫色の夏の暮方に舞う様子を私は今っから想像して居ます。
うすっぺらな手紙を女中に出させてから明日金物屋へ「きゃしゃ」な「ふせかご」を命じる事を忘れてはならない事の様に思いつづけて居た。
お前ねえ、
どうしてもそう云わなけりゃあいけないよ!
千世子は女中の顔を見るなりいきなり云った。
何でございます?
何かお云いつけんなったんでございますか?
女中は怒られる事を予期して居る様な眼つきをして居ると思って、
「私怒ってるんじゃあないよ、
あれさ!