Classici giapponesi con furigana
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ちよこ(さん)
千世子(三)
宮本 百合子
Leggi 千世子(三) (ちよこ(さん)) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.906 caratteri · 54 schermate
京子は毎日の様に来て呉れた。
京子に云いつけられてだれが来ても女中は、
頭の工合が悪くいらしっておよってでございますから。
間が悪そうにことわった。
小さい紙っきれに短かい見舞の文句が書きつけられたのなんかがだんだんたまってごとごとと書きつけたなかにうす青い紙に女の様な字で、
御案じしてるんです、ほんとうに。
と書いてあったのが一番千世子の心を引いた、でもだれだかわからなかった。
そのわからないと云う方がその筆の主をかえって美くしいものに想像出来ていいとも千世子は云って居た。
京子は千世子の傍で終日絵を描いて居た。
誰にも会わず何にも読めもしないで居る千世子には、絶えずはかどって行く絵筆の運びと心も身もその筆の先にこめて居る京子の様子を見るのがたった一つの慰めであった。
京子は着物の色も模様もなるたけ千世子の心にかなった様にして居た。
ねえ、これは貴方の御伽にと思って書くんだから、貴方のおこのみ通りにねえ。
こんな事を云われるのが嬉しいほど人なつっこい気持になって居た千世子はたびたびいかにもすなおな娘らしい調子で母親の処へ手紙を書いた。
叱かられる京子の眼をぬすんで書くと云う事が一つの興味ある事でもあった。