Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
「アーア」ため息をつきながら重い気持で長い曲りの多い廊下をうつむいて歩かなければならなかった。
(十)
幾日も幾日も気分のわるい日ばかりが千世子を呪う様につきまとった。朝は大抵にしてミルクをのんだり果物をたべたりして居た。
夜一夜うなされどうしでまっさおな顔をして居る事も珍らしくなかった。
「又何だか様子が悪い、どうしたんだろう」
千世子はこの頃やたらに変調な自分の頭をにらみつけながらしたい用事があっても我まんして早眠する様にして居た。気をつけていたわりがいもなく段々悪い方にばっかりなって行った。
物覚えは悪くなる、かんしゃくは起す、やたらに悲しくなる、いりまじった感情ばかりもつ様になってじっとしてものをして居る事が出来ない様になった。弟の飲んで居るじあ燐をのんで居た。目の上が十日ばかりですっかりくぼんでしまった。
「いやだネエ、又なんかい?」
母親はげんなりした様子をして学校からかえって来る千世子のかおを見ちゃあたって居た。
あたり前ならもうとっくに寝入って居るはずの夜中の二時頃千世子は自分の体の上に大きなものがのしかかって来る様に感じる。