Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちよこ

千世子

宮本 百合子

Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate

Aozora Bunko

にげようとしてもにげられずもがいて居るうちにつかれてね入ってしまう。

翌朝寝間着をたたんだ女中が云ったと見えて学校からかえるとすぐ母親は、

「お前マア、この頃は寝あせをかくんだってネエ、気をつけなくっちゃあいけないじゃあないか」

なんかと云った事もある位わけも分らず千世子の頭はいくらねてもねてもつかれて居た。

御のぼりの立った日は千世子は縁側で高い竿のてんぺんにまわって居る矢車を見て居る間に変になって土間にころがり落ちてからズーッと本とうにとこにつく様になった。

寝はじめてからはもう一月も二月も病んで居る人の様に、救けられないじゃあはばかりにさえフラフラして行かれなくなった。千世子は病気の時いつもする様にきれいな様子をして居たけれ共先よりは重いと見えてじょうだん口もきかずにぶい目で天井の木目を見て居たり人の立ち働くのを見たりして居るのが多かった。

ちょくちょく来るHは、いつでも千世子の床のわきに一寸の間でも来て何か千世子の気に入る様ななぐさめの言葉をのこして行った。

時には長い間だまってまくら元に座って、ひくい声でうたをうたってきかせたりして居た。

千世子がきのうより悪くなって気のぬけた人の様に唇を少しあけて胸をはだけて夜着からのり出してあてどもないところを見つめて居た時、忍び足をして来たHはわきに座って居る