Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
「エエ好いにゃあいいんですけど、きのうっから何とはなしに興奮して居るんでかるい目まいが一寸する事がある位、――それに一寸気にして居る事があったんで……」
「何、気にしてる事? まさか日が悪いなんてんじゃあありますまい」
「なんぼなんだって――マアこうなんですの。私がネ、貴方に御目にかからずに今日たってあっちに行っちまいましょう、そうして急に悪くなったっきりになっちゃったり大浪にさらわれてしまったりするときっとどんなにか悲しいだろうと、それに私若しかすると死ぬ時に、
『Hさーん』
て云いやしないかって……」
千世子はそう云って笑った。
「マア、そんな――でもマアようござんしたネエ、私が手紙あげたらあんたも下さる? ネ」
「そんな事分るもんですか、それにかくれてなんかかいてもしようがありませんし御義理に書くのも私はすきでないんですもの……」
「そんならなるたけ、ね? これからの海辺はようござんすネエ、静かで……あんまりいろんなものを書いたりよんだりしちゃあ、いけませんよ、勉強するんじゃあないんですよ、馬鹿げた様な気持になって遊んで居ればいいんですもの……土曜から日曜にかけてお父さんが行らっしゃるんだろうから私も都合がよかったら上りましょうネ」