Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
「せかせかして居た自分は一寸かるく達っちゃんの頭を抱えたっきりだったけれ共――」
千世子はまだたりない忘れて居るもののある様な気がして居た。
気軽に小供や母親に言葉をかけながら段々に都めいて来る町の様子を千世子は晴ればれした輝く顔をして見て居た。
「阿母さんうれしい事ネエ、私も丈夫になったし東京にも帰れる――」
時々こんな事を云っては肩をゆすったり眉をあげたりして居た。
同じ室のすみに座って居たまだそんなに年をとらないイギリス婦人が千世子の方を時々見ては何か云いたそうに笑ったり手を動かしたりするのを、目の合うたんびに笑いかえして居るのもうれしい心がさせる事だと千世子は思って居た。
新橋についてドアに手をかけた時、迎えに出た人の中にHさんと源さんの首から上を一番先に見つけそのわきに父親の立って居るの車夫が二人のび上って居るのも見つけた。
手をのばして高いところで二三度ふるとその人達は皆見つけて千世子の居る車の前に立った。
母親は父親に小供は車夫に千世子は源さんとHにたすけられて降りた時胸いっぱいにうたをうたいたいほど嬉しさがこみ上げて居た。
「マアほんとうに私はかえってきたんですワネエ、ほんとうに――」