Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
と、Hになだめられても、母親が何て云ってもきかないほど腹を立てた。
「それも病気のせいなんだよ」
すかす様に母親は云って額をさわったりした。
翌日朝、強い目まいがしてたおれてからジッと床についてしまった。昼間ねて居るのにきたなくして居るのはいやだと云ってシイツも西洋洗濯から来たばっかりのをしかせて枕も羽根を干した方のを出させて紫のビロードの夜着の衿にローズの香水を少しまいた。そしてその中に自分は袖の思い切って長いメリンスの友禅の着物に伊達巻をしめて髪をすっかりのばして横になった。枕元にはすきな本を並べてはりまぜの枕屏風を置いた。
夢中になってすきがって居る人の詩集を抱えたまんま眠った様なさめた様な気持で目を細くあいたりつぶったりして居た。何も考えず、何もしないで居るくせに一週間位てつ夜をつづけた様に頭はつかれきって一人で枕から上げるのはむずかしいほどで、目のそこに絶えず五色の渦が巻いて居た。夜になってから九度ほど熱が出た。頭の中でお湯がにえくり返る様な気がして、目を開いたまんま千世子はポーッとなって居た。小声にブツブツ口小言を云いながら何も彼も忘れはてた様なかおをして寝入ってしまった。