Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
そして翌朝目が覚めるまでは夢さえも見なかった。
起るとすぐ、
「ゆうべはよくねたのに頭が重くってしようがない」
不平らしい声で千世子は云った。
「寝る間にのんだ薬の中にかるいモルヒネが入って居たせいかもしれないし又、ゆうべあんなだった今日そんなに急によくなる筈もなしさネ」
母親は丁寧に説明してやった。だまって首をふった千世子の頬にはかるい笑がうかんだ。連想しやすい頭の中にはモルヒネが強すぎて寝たまんま死んで行った人の話、ポーの早すぎた埋葬の事、ジュリエットの事なんかがすぐうかんだ。
「かりに私がモルヒネがつよすぎてすっかり死んだ様になってしまったとする。私の知ってる人達は泣きながら前から私の云って置いた通り髪を長くとかして一番好い似合う着物を着せて体のまわりにはいっぱい花をつめてガラスの四方を銀色に光る金具でかざってある中にもって居るすきな指輪だの一つ二つ書いたものや、本と一緒に入れて呉れる。そうして土の中に入れられる、十日ほど立ってフッと生きかえる、私の体は前よりも一層力がこもってきれいになって居る、土の外に出ると、先ず自分の色の白くなったのに驚く。