Classici giapponesi con furigana
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ちはやかんのめいろ
千早館の迷路
海野 十三
Leggi 千早館の迷路 (ちはやかんのめいろ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.829 caratteri · 50 schermate
春部はこれまでいつも面憎いほど取澄していたが、このときばかりは若い女子動員のように騒ぎ立てた。
「困りましたね。なにか重大なものを発見したらしいが、この千早館の監視は一秒たりとも中断することが出来ないのです。一体何ですか、あなたの発見したものは……」
「あの人の着ていた服地です」
「えっ、何といいました」
「田川のいつも着ている服の裏地なんです。それがこまかく切られて、鋏でつまんだ髪の毛のようになっているんですが、それが池の中に浮いているんです……」
「間違なしですか。見誤りじゃないでしょうね」
「いいえ、決して間違いではありません。わたくしは念のために、竹を拾って池の水に漬け、そのこまかく切られた服の裏地をそっと引揚げたのです。これがそうです。この瑠璃色とくちなし色と緋色の絹糸を、こんな風に織った服の裏地は、わたくしがあの人へ贈ったもので、他にはない筈のものです。どうしてあの人の服の裏地が、あんな池の中に浮いていたのか、ああ、恐ろしい……」
「なるほど。そうだとしたら、これは重大だ」
「ねえ帆村さん。千早館の入口を探すよりも、あの池をさらえる方が急ぎますのよ。