Classici giapponesi con furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate
と称えるものが氷の花のように附着するさまを想像してみたまえ。
汽車が小諸を離れる時、プラットフォムの上に立つ駅夫等の呼吸も白く見えた。窓の硝子越に眺めると田、野菜畠、桑畠、皆な雪に掩われて、谷の下の方を暗い藍色な千曲川の水が流れて行った。村落のあるところには人家の屋根も白く、土壁は暗く、肥桶をかついで麦畠の方へ通う農夫等も寒そうであった。田中の駅を通り過ぎる頃、浅間、黒斑、烏帽子等の一帯の山脈の方を望むと空は一面に灰色で、連続した山々に接した部分だけ朦朧と白く見えた。Unseen Whiteness――そんな言葉より外にあの深い空を形容してみようが無かった。窓側に遠く近く見渡される麦畠のサクの窪みへは雪が積って、それがウネウネと並行した白い線を描いた中に、枯々な雑木なぞがポツンポツンと立つのも見えた。
雪国の鬱陶しさよ。汽車は犀川を渡った。あの水を合せてから、千曲川は一層大河の趣を加えるが、その日は犀川附近の広い稲田も、岸にある低い楊も、白い土質の崖も、柿の樹の多い村落も、すべて雪に掩われて見えた。その沈んだ眺望は唯の白さでなくて、紫がかった灰色を帯びたものだった。