Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちくまがわのスケッチ

千曲川のスケッチ

島崎 藤村

Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate

Aozora Bunko

その人は町に住む牧師で、一部の子供から「日曜学校の叔父さん」と懐かしがられている。

この叔父さんの説教最中に夕立が来た。まだ朝顔の弟子入をしたばかりの時だ。彼の心は毎日楽しんでいる畑の方へ行った。大事な貝割葉の方へ行った。雨に打たれる朝顔鉢の方へ行った。説教そこそこにして、彼は夕立の中を朝顔棚の方へ駈出した。

「いかにも田舎の牧師さんらしいじゃ有りませんか」と理学士はこの新しい弟子の話をして、笑った。その先生はまた、火事見舞に来て、朝顔の話をして行くほど、自分でも好きな人だ。

九月の田圃道

傾斜に添うて赤坂(小諸町の一部)の家つづきの見えるところへ出た。

浅間の山麓にあるこの町々は眠から覚めた時だ。朝餐の煙は何となく湿った空気の中に登りつつある。鶏の声も遠近に聞える。

熟しかけた稲田の周囲には、豆も莢を垂れていた。稲の中には既に下葉の黄色くなったのも有った。九月も半ば過ぎだ。稲穂は種々で、あるものは薄の穂の色に見え、あるものは全く草の色、あるものは紅毛の房を垂れたようであるが、その中で濃い茶褐色のが糯を作った田であることは、私にも見分けがつく。