Classici giapponesi con furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Leggi 卍 (まんじ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.618 caratteri · 258 schermate
お前は世間知らずのいとはんやよって、自分で自分の幸福が分らんと何や彼や贅沢いうのんや。お前みたいな人間はどない申分のない夫持ってもこれなら満足やいう時あれへんで。と、いつもそないいうのんですけど、私は夫の世の中悟りすましたような、諦めたような物のいい方が気に入りませんよって、あんたはちっとも煩悶なんかしたことないように見える、あんたという人は人間らしい所あれへん、と、そういうて攻撃するのんです。夫の方では私の性質に合わすように努めてるのんですやろけど、それがほんまに気持がぴちっと合うのんでのうて、こっちを子供扱いにして、ええ加減にあやしてるように思われますのんで、そういう態度が癪に触って仕方あれしません。あんた大学では秀才やったそうやさかい、あてみたいなもん定めし幼稚に見えるやろけど、あてから見たら化石みたいな人やわ、というてやった事もあります。いったいこの人の胸にはパッションいうものがあるのかしらん? この人でも泣いたり怒ったりびっくりしたりする事あるのかしらん? 私は冷静な夫の性格にやるせない淋しさ感じたばかりやのうて、いつの間にやら一種のわるさじみた好奇心抱いてましたのんで、それがこの前のことや光子さんのことや、いろいろの事件惹き起す元になったのんです。