Classici giapponesi con furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Leggi 南地心中 (なんちしんじゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.205 caratteri · 79 schermate
私が手伝うさかいな。」
猶予いあえず、バチンと蓮の果の飛ぶ音が響いた。お珊は帯留の黄金金具、緑の照々と輝く玉を、烏羽玉の夜の帯から星を手に取るよ、と自魚の指に外ずして、見得もなく、友染を柔な膝なりに、腰をなよなよと汀に低く居て――あたかも腹を空に突張ってにょいと上げた、藻を押分けた――亀の手に、縋れよ、引かむ、とすらりと投げた。
帯留は、銀の曇ったような打紐と見えた。
その尖は水に潜って、亀の子は、ばくりと紐を噛む、ト袖口を軽く袂を絞った、小腕白く雪を伸べた。が、重量がかかるか、引く手に幽に脈を打つ。その二の腕、顔、襟、頸、膚に白い処は云うまでもない、袖、褄の、艶に色めく姿、爪尖まで、――さながら、細い黒髪の毛筋をもって、線を引いて、描き取った姿絵のようであった。
十八
池の面は、蒼く、お珊の唇のあたりに影を籠めた。
風少し吹添って、城ある乾の天暗く、天満宮の屋の棟が淀り曇った。いずこともなく、はたはたと帆を打つ響きは、幟の声、町には黄なる煙が走ろう、数万人の形を掠めて。……この水のある空ばかり、雲に硝子を嵌めたるごとく、美女の虹の姿は、姿見の中に映るかと、五色の絹を透通して、色を染めた木の葉は淡く、松の影が颯と濃い。